トトラボ×フプ特別企画第1回「北海道モミの精油蒸留とレメディーづくりの3日間」 レポートです!

 

 

 

縁あって北海道モミ精油事業が始まった当初からお付き合いのある
トトラボ植物療法の学校を主宰する村上志緒先生。

これまでも何度か下川でセミナーを開催してもらっていましたが、
今年株式会社フプの森が誕生したのを機に、今後継続的に共同企画を開催しましょう!
というお話になり、実現した記念すべき第1回目のプログラムが、10/6~8の3連休に行われました。

 

村上先生は、東京を中心に他の地域でも魅力的なセミナーをいろいろ開催されていますが、
今回フプの森とのコラボということで、「林業」という生業を一つのキーワードに、
人々の経済活動や日々の暮らしとともにある植物療法、という視点で下川ならではのプログラムを組みました。
植物と、人と。両方の視点で森の活用についてを味わっていただけたのではないかと思います。

 

それでは、3日間じっくり下川の木々とお付き合いいただいた様子をご報告します!

 

 

***** 1日目 モミとお友達になろう *****

 

直前にお送りしたおたより。
遠くは関西から来てくださる皆さんにとって、
お家を出る前、下川に思いを馳せるところから旅は始まります。

 

私たちスタッフも、ドキドキわくわくしながら一足先に下川に集合しました。

気持ちのよい朝を迎えた当日でしたが、


参加者の皆さんが到着した昼過ぎには、けっこうな雨が!!
予定を変更して、森へ行くのは後回し。
スタッフなおこによる葉っぱ付き名札づくりでまずは自己紹介。

 

雨もあがった頃に、まずは森林公園を散策しながら森でチューニング。
遠くはなれた下川まで来て、なんだか異国へ旅しているかのような心と身体を、
少しずつほぐして森の時間に慣らして行きます。

 

今回の主役、トドマツの元でじっくり深呼吸をするシオ先生。

 

シオ先生にあわせて、軽く体を動かしながら、自分自身と森に耳を傾けてみました…

 

トドマツやカラマツが整然と並ぶ森が多い下川ですが、
ここ渓和森林公園の道には、北海道の森らしい広葉樹もいろいろ。
色づいた葉や実など、秋の彩りがそこここに落ちているので、
上を見たり、下を見たり、ゆっくり森の中を進みます。

 

 

森から帰ったら、なおこの庭のブラックミントティーと、
下川自慢の美花夢特性チーズロールケーキで一休み。
トドマツの葉っぱで、エアフレッシュナーづくりの実習を楽しみました。

朝の3時起きで移動してきてくださった方もいて、
森の効果も手伝って、皆さんほどよく疲れた1日目。
五味温泉につかった後は、美花夢の地元食材たっぷりごはんを楽しんだので
ゆっくり眠れたのではないかと思います

 

 

***** 2日目 森が喜ぶ仕事をしてみよう *****

 

いよいよ、トドマツの森へ!
今回は、お世話になっている方から山をお借りして、私有林での間伐作業。
場所を提供してくださった山主さんは、普段お仕事しながら農業も手がけ、
冬は自分で山の手入れをして、伐った木は薪として使っているという方。
山のある暮らしを本気で楽しんでいる人なのです。

 

森の手入れとは?なぜ木を伐るの?
この日の先生は、北海道モミ精油初代担当者の陣内と3代目の田邊大輔です。


陣内も田邊(大)も、今は森づくりに携わる林業マン。
森の成り立ちや、林業のこと、木のことを、お話しながら、皆さんに森を感じてもらいました。

 

100年続く森を作るために。

 

みんなで実際に残す木、伐る木を選んでみました。

 

プロが普段どういう基準で、伐る木、残す木を決めているのか。
物言わぬ、動かぬ植物たちですが、ちゃんとその場所であったこと
周りの草木との関係性を、どこかにサインとして残しながら生きているのです。
それらを読み解き、さらに想像力を働かせて、未来の森を描きながら選びます。
1日に一人で100本もの木を伐る事もある林業の現場。
スピーディーに、安全に、判断していかなければなりません。

 

だけどやっぱり、自分で選ぶとなると、皆さんいろいろ考えるところがあるようでした。
伐る木が決まって、チェンソーの歯が入った時、涙が出たという方もいらっしゃいました。

 

こうやって、日々森の木々から私たちは何かを得て暮らしているのだという実感、
心が揺さぶられる思い、それを味わっていただけてよかったな、と思っています。

だからこそ伐った木は、しっかり使わせてもらいます。
枝葉はエッセンシャルオイルに。
フプの森のスタッフも、いつも森ではこうして葉っぱを採っています。

 

 

幹の部分は、皮を剥いて乾かし、山主さんに使ってもらいます。

伐ったばかりのトドマツ、樹皮をはがすと ものすごくみずみずしくて驚きます。

 


薪になる分は、みんなで道の近くまで運びました。

 

 

樹皮の部分に多い樹脂(松やに)は、後ほど軟膏に。
葉っぱとはまた違う香りの樹脂。こんこんと溢れる様子からは、トドマツの力を感じます。

 

 

そんな風にみんなが作業している間…
草陰には何やらあやしい人が…

 

下川在住の魔女、モトコでした!

ヘルメットかぶってハーブティー作る人はなかなかいないですね…

 

そんな魔女秘蔵、下川の山の植物で作ったハーブティー。
シラカバ新芽やコブシなど、やさしい森の味です。
美花夢のしほちゃんに作ってもらった、totofupuもみの木クッキーと。

 

体を動かしたあとの 森のフィーカ。

フィーカとはスウェーデン語でお茶の時間のことで、

スウェーデンでハーブにまみれて暮らしていたことのある素子に習って、下川でも広まりつつある言葉。

ちなみに下川の山語ではお茶(休憩)の時間を「ちょい」と言います!

 

静かに風の音を聞きながら、森を感じ…
遠くから聞こえる 木を叩くリズム… (ミュージシャン陣はどこでも何でも音楽を始めます)
すっかり森の一部です。

 

 

働き、感じ、お腹もすいた頃、モレーナでお昼。
一度訪れたら忘れられないモレーナの空間。
無農薬ガーデンで採れた野菜を使った北インドカレーでお腹を満たしました。

 

 

そしてフプの森工場へ!
自分たちで採った葉を、釜に仕込んでもらいます。

 

 

役場職員ナカノさんが顔を出してくれたので、

下川の環境未来都市としての取り組みを少し説明してもらいました。

 

 

2時間の蒸留を待つ間は、志緒先生の樹脂軟膏づくりです。


みつろうと植物油でクリームの基本を作りますが、今回は、大島は高田製油所さんの
三原椿油を使用。この椿油は昔ながらの玉締め式で作っており、使い心地も
べたつかずさらっとしている優れもの。フプの森スタッフはもちろん、近頃
下川の仲間の間でちょっとしたブームです。

 

こちらのお二人、しもかわで初めて蒸留体験企画が行われたときに参加してくださった方々。

初期のスタッフとは2003年以来の再会です!

お互い時を重ねての再会は嬉しいですね。

 

 

そして2時間後、薄暗くなった夕方に再び工場へ。
キャンドルの灯りの中、蒸留を終えた後のあつあつの葉っぱで足浴です!

この足浴、実は大分昔にお客さんのアイディアで始まったもの。
蒸留体験を行ったときに、この葉っぱに足を入れたい!と言った人がいて
それから続く、人気メニューなのです。

 

 

キャンドル、足浴、そしてスパイス香るホットワイン。

 


じっくり楽しんでいただいたあとは、精油を瓶詰め。
釜番大輔が採っておいたこの日の蒸留水もお土産に。

 

みんなすっかりゆるんで、あとはごはんを待つだけです…

 

夜は隣まち名寄市にある、食工房おるとさんの古屋シェフによるディナー。
めずらしくて色鮮やかな野菜たちや、下川産食材など、この日も
最高のお料理たちでした。

 

ディナーのあとは、丘の上からみる満点の星さんぽ!

真っ暗すぎて写真は撮れないのでお見せできませんが…

 

寒いので、少し歩いて帰ろうと思ったところ、まだ帰りたくない!の声。
再び車から降りて、道に寝っ転がって星空を満喫したのでした。
流れ星が流れるたびに、みんなから「わー」、という声が上がって、すっかり夢見心地な気分でした。

 

 

***** 3日目 森の恵みを活かしたものづくりをしてみよう *****

 

前夜の星空から一転、3日目の朝はちょっと早起きして、丘の上から雲残る町並みを見下ろしながらの朝ヨガ。


この朝のしもかわ、私が大好きなものの一つです。
太陽の光を全身に浴びて体を目覚めさせます。

 

最終日は、志緒先生の講座三昧。
トドマツの葉っぱのてるてるバスボールと、森の香水、森のポプリを作りました。
トドマツの葉っぱは、切ると香りが溢れます。
作業している間、お部屋にはトドマツの香りが広がりました。

 

香水づくりやポプリづくりでは、トドマツやフプの森秘蔵の下川産レア精油をはじめ、
いろいろな精油をブレンドして、オリジナルの香りを作ってもらいました。
きっと、下川の森での心や体の変化が、香りの好みにも表れていたんじゃないでしょうか。
3日間の森の記憶が、香りとなって残りますように…

 

木の実などが入ったタイトル「リスのお弁当箱」。

皆さん、とっても素敵なポプリを作っていました!!

 

あっという間に時間が過ぎ、なんだかお話し足りないうちにお別れとなってしまいましたが、
濃い3日間を共に過ごし、きっとまた会える気がしてならない縁となりました。
参加者の方と同じバス、JRで東京まで帰ったスタッフカメヤマの報告によると、
皆さんの要望で、次回のプログラム内容もほぼ決まったようです(笑)!
ご案内できるのはまだ先になりそうですが、早くも次が待ち遠しくなって来ました^^。

参加者の皆さんが、心から何かを感じてくださっていた姿を見て、私たちスタッフもまた
刺激となり、いろいろなことを感じるエネルギーとなりました。
こちらからご用意したもの以上に、参加者の皆さんから私たちがいろいろいただいた気分です。

あらためて、この企画を継続していきたい、と強く思ったトトフプメンバーでした。
次回の企画をお楽しみに!!

 

*** おまけ ***

その後の森。

2週間たって、今日撮ってきました。

伐った木の下にいたミズナラに光が当たってました。

大輔曰く、これを傷つけないように伐ったんだそうで。

ちゃんとすくすく育ってくれるかな。

 

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