下川町のトドマツ精油づくりの歴史とともに


株式会社フプの森は、2000年に下川町森林組合でスタートしたトドマツ精油事業を引き継いでいます。現在は、森林組合時代から携わってきた歴代の担当者全員に加え、新たなスタッフとともに運営しています。

 

代表取締役 田邊真理恵

出身:北海道千歳市

もともと大自然や動植物に興味があった子供の頃。憧れたのはハイジのような暮らしと、ナウシカのような心でした。一方で、学校で教わった世界的な違法伐採問題が自分たち日本人の森林資源の使い方と直接関係していることに子供心にショックを受け、木や森は、愛でているだけではだめなんだ、という思いも芽生えました。北海道に住みながら、特に森に行く機会などなかった子供時代、憧れだけはどんどん膨らみ、ようやく大学時代に知床や大雪で森デビュー。所属したサークルで、森林の移り変わりを調べる生態調査を学び、その頃トドマツと出会いました。森で一番よく会い、そしていい香りがする木。ベタベタの樹脂からは、なんとも心安らぐ香りがするので、私のお気に入りでした。
その後社会人となってからも、いつか森に関わる仕事がしたいと模索していた時、東京の方から下川町の存在を教えてもらいました。下川を訪れてみて出会ったのが、山仕事をするような男性たちがアロマの商品を作り、何やら一生懸命山のことを考えて熱く語る姿でした。彼らのパワーや生き方、町の人たちの温かさにカルチャーショックを受け、自分も小さな町で山に関わりながら暮らしたいと考えるようになりました。
自分が普段、自然に近い生活をしていなかったからこそ、森を感じられる何かを求めていたし、森の世界をもっと身近に感じられる世の中にならなければいけない、と強く思っていました。それもすべて、子供の頃からの思いが原点です。
そんな時にたまたま下川の精油事業担当者のポストが空くことを知り、自ら志願して、移住が叶いました。ここ下川へ来て山側の人間になり、商品を持って売り歩くようになって、あらためて気づかされています。山から遠いところに住む人たちがいかに森を求めているか。かつての自分のように。
私たちフプの森の役割は、そんな人たちの、ちょっとしたきっかけになることだと思っています。ハイジな世界も、キコリの世界も、どこかで見た夢物語ではなく、本当はもっともっと身近に感じることのできる世界です。
私たちが届けたいのは、いつでも手の届く森です。皆さんが、あたりまえのように好きなときに森の世界と行き来できるようになることを願って、伝え、届け続けたいと思っています。

 

取締役 亀山範子

出身:東京都

もともと自然が大好きでした。原風景は瀬戸内海。母の実家が瀬戸内海の小さな島で、海で泳ぎ、蝉とり、沢蟹とり、潮干狩り、すいかをいっぱい食べて、小さな集落の盆踊り…東京生まれ、東京育ちの子どもにとっての田舎で過ごす夏休みは最大の楽しみでした。

その自然好きが高じて、大学時代に憧れの北海道へ。帯広畜産大学に進みました。その当時まだ珍しかった環境系の学科、畜産環境学科に入り、専攻は畜産害虫学。卒論のテーマはカメムシの生態で、生態系を考慮し農薬を使わないで害虫をコントロールする生物農薬のようなものに興味を持っていました。
その後ネパールを放浪したり、国際協力にも興味を持ちましたが、海外から日本を見れば見るほど、日本も問題山積みで、それを解決することに力を尽くしたいを思うようになりました。
そしてその後、オーガニック系流通会社に就職しました。有機農産物を消費者に届けることが使命ですが、その一方、それによって日本の農地は守られていく、ということを学びました。日本の農地を守るためにはその「買う側」の意識が大切で、その意識に作る側も左右されているということを強く実感しました。その当時出会った一冊の本「パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン」(ビル・モリソン著)。この本が運命を変えました。農業だけにとどまっているのは何か違うのではないか…そんな思いを抱きながらパーマカルチャーを実践で学びたいと、カナダでファームステイをしました。
そこで気づいたのが、森林の大切さ。農地を守るためには森林が不可欠だとういうこと。農地と林地を分けるべきでなく、すべてはひとつの生態系でつながっているということ。また、ロッキー山脈の針葉樹林の美しさに見せられ、大好きな北海道で森林に関係する仕事に就きたいと思うようになりました。
そして、運よく下川町森林組合に就職することができ、その当時事業化の真っ最中であったトドマツ精油事業の担当者となったのでした。初めて知った林業の厳しさ、そして清々しさ。とても危険な仕事でありながら、一方自然のなかで働くという人間本来の本能を満足させる仕事。
そして今は、東京と下川町を行ったり来たりの生活。東京の良さも地方の良さもわかる立場として、通訳的役割を果たせたらと思っています。

そして最後に、

人生の目標は?と問われたら…

動物として生きる事・・・かな。

 

アドバイザー(非常勤) 陣内雄

出身:北海道札幌市
生まれは札幌、いつも近くに森があって、森でぼーっとしたり、一人で焚き火したり絵ばかり描いている内向的こどもでした。上京し、大学で建築を学び、神奈川の設計事務所に勤めましたが、バブルで建築も使い捨てのような状態がいやになり、自然農法をはじめた友人の家づくりを半年手伝ううちに、CWニコルに感化され黒姫の山を見学して林業を志しました。北海道の林業地をバイクでめぐり、最終的に下川町森林組合へ。まだ丸太をトビで扱う現場もあった時代、体はきついけど、毎日が新鮮でした。山で働き、山の中に暮らし、おじさんたちと飲み明かす日々・・・。4年間現場を経験するも、東京時代から続けていた音楽をどうしてもやりたくなり休職し、東京へ2年間行きました。
そのころ下川では、町にある自然や産業、人、歴史などの資源を磨いてつなげる産業クラスターの研究会が立ち上がって熱い議論をしているのを聞いて「田舎が持続するのはこれしかない!」と思っていました。東京からもどり、研究会に参加すると、クラスター事業化の第1号として、「トドマツ精油事業」を立ち上げる担当者が必要だと。即志願するも、林業をほって2年も東京に行っていたので、森林組合のボスは「お前なんかいらん!」「そこを何とか・・」何回もお願いに。
そして2000年、失敗したらクビ、という条件で採用。最初は、自然農薬や塗料、芳香剤の市場を模索するも、コストがあわない。鎌倉の親戚が、「アロマをやっている友達がいるよ」の一言から、未知の「アロマ」の世界が開けていきました。アロマを扱う会社やアロマ学会、いろんなところでとにかく「生産者の思い」を伝え続けました。
「研究肌・発酵マニア」亀山範子との出会い、山の現場から「職人+デザイン系」田邊大輔のスカウト。ものすごい気合の長文メールで森林組合にアポイントしてきた田邊真理恵。まったく濃い連中です。地元のたくさんの方々、暖かく見守ってくださる顧客のみなさん、取引先のみなさんに支えられながら、ゆっくりゆっくり歩いてきました。やりたいこと、夢はたくさん!できることはちょびっとずつですが、これからもよろしくお願いします。

 

デザイン担当(非常勤) 田邊大輔

出身:宮城県
1980年仙台に生まれる
幼少から高校まで
家の裏山が好きで良く遊んだ
貧弱な体を鍛えるための恰好の場所でもあった
足繁く通ううちに森の中に住みたいと考えるようになった

高校卒業後
北海道の自然に憧れて旭川の大学へ
北国の文化に惹かれ
人の温かさに心底いい場所だと思った

自然と共生することは
心と体に良い影響があると学び
その通りだと思い大いに山で遊んだ

就職を機に東京へ
建築やデザインの小さな会社で働き始めるも
すぐに気がつくことがあった
一過性でしかない建物や商品をつくる意味とは
なんなのかと

あの山で大事に育てられた木は
たった10年で取り壊される建物や
あるいはすぐ捨てられる紙媒体になる運命にあった

この国の森林率は世界トップクラス
しかしその森から切り出した木の行く末を
知る人は実に少ない

自分の怪我も病気もしない健康な体を
つくってくれた森林がいま
間伐もされず放置され
伐っても哀れな使われ方をする
危機にある

その森林に何か恩返しをしたい…

居ても立っても居られなくなり
気づけば自分は下川の森で
木を植え
木を伐っていた

 

スタッフ(常勤)安松谷千世

出身:大阪府

2013年2月、道東旅行中に立ち寄ったお店でミストに出会いました。
森の香りとパンフレットの写真に魅せられ、HPをのぞきに行ったところ「スタッフ募集中」の文字が。ひそかに温めていた北海道移住計画への入口、しかも大好きな自然に近い仕事!とばかりに飛びつき、下川に押しかけて拾ってもらいました。
はじめは「トドマツってどれですか?」などと言ってモミエ社長を嘆かせましたが、今では山に入るとトドマツばかりが目に入り、「かわいいなあ」と見入っています。
フプの森の商品を手にとってその香りをかいだ時に、針葉樹のある森をふっと思い浮かべてもらえたらうれしいです。

アルバイトスタッフ 中山誠一

 

アルバイトスタッフ 小島有美

 

Spetial Thanks

フプの森のなかまたちをご紹介します。

 

 

Mayumi Yamauchi(sapporo)
今回のフプの森サイトリニューアルに際し、撮影に協力してくれたフォトグラファー。森や林業現場写真をテーマに個展を開催するほか、プライベートでも山仕事に精を出す。/Instagram

 

Shigeaki Adachi(asahikawa)
今回のフプの森サイトリニューアルに際し、撮影のお手伝いをしてくれたフリー林業家兼フォトグラファー。山仕事の請負や薪の販売など山にまつわる事業を展開するoutwoods主宰。

 

 

撮影の時の様子は以下よりご覧いただけます
photo-making