2000年、林業のまち下川町で、それまで使われていなかった森林資源も活用するために生まれたトドマツ精油事業。はじまりは下川町森林組合が事業化し、2008年にNPO法人森の生活がそれを引き継ぎ、2012年に株式会社フプの森として独立して現在に至ります。その間一貫して、下川町の森から原料を採り、思いを込めて精油を作り続けてきました。
株式会社フプの森の設立に携わったのは、事業開始当時からの歴代の担当者4名です。
現在は新しいスタッフも迎え、事業の始まりから続く想いを変わらず守っています。

構想期 1998年〜

町民たちにより地域資源を活かした様々な企画が練られていた『下川産業クラスター研究会』。森のまち下川町らしく、林業や森そのものにまつわる様々な活動のアイディアが出され、グランドデザインとして一枚の「まちの未来」を示す青写真が描かれた時期でした。その中でテーマの一つとして取り組まれたのがトドマツ精油の事業化です。すべてが手探りの状態で研究が始まりました。農業用の忌避材とする案など、用途やマーケットの調査が行われていた中、縁あって東京のセラピストの方と出会い、アロマテラピー用のエッセンシャルオイルとしての開発という道が開けたのです。実際の事業化に向けての動きは、下川町森林組合が主体となりました。こうして、下川町のトドマツ精油が生まれることとなったのです。

下川町森林組合 期 2000〜2007年

下川町森林組合の職員によって製品が完成。トドマツは北海道に生えるもみの木の仲間であるから、「HOKKAIDOもみの木」というブランド名がつけられました。パッケージも当時の担当者の手描き、ラベル貼りやまくらの縫製は地元の主婦の皆さん、というように、まさに地域の人の手によるハンドメイドの商品たちが生まれました。もともと山で働いていた男性担当者男が小さな香りの小瓶を持って、東京へと営業に通い、都会の女性たちに山の魅力や”本物”の香りを伝えて歩いたのです。北海道の山奥からやってきて元気に森を語る担当者の姿は、お客様にはとても新鮮に映った模様。東京のアロマ関連会社による、下川町での蒸留体験企画も始まり、お客様の案で生まれた蒸留後の葉に素足をつける“葉っぱ足浴”が評判になり、今でも人気のプログラムとなりました。当時の関係者やお客様とは今でもおつきあいが続いているほどです。こうして、下川のトドマツ精油事業は、一つの形となりました。

 

 

森の生活 期 2008〜2011年

同じ下川町内で2005年から体験事業を行っていたNPO法人森の生活。森林組合が始めた蒸留体験も引き継ぐようになり、森林療法プログラムと組み合わせるなど、ソフト資源としての森の活用を積極的にすすめていました。そんな森の生活が精油事業そのものを引き継ぐこととなり、実際に訪れる森と、手に取って室内でも楽しめる森、両方の森の魅力を楽しむライフスタイルを提案しました。ブランド名も「フプの森」に一新。パッケージも全て新しくなりましたが、デザインも製品作りも下川で、というこだわりはそのまま引き継ぎました。こうして、林業とアロマから、生活や健康とアロマへ、より多くの方々へとトドマツ精油は広がりを見せるようになりました。

フプの森 期 2012年〜

様々なかたちで引き継がれてきた下川町のトドマツ精油事業。11年経って、この町に根付き、続けていく一つの事業体として、いよいよ独立することとなりました。森林組合で山男ながらも東京で営業していた担当者から、森の生活へと事業を引き継いだ担当者まで、それまで中心となって事業に携わってきた4名が、もう一度集結し、株式会社フプの森を設立しました。多くの人に支えられて続けて来られたこの事業を、さらにもう一歩進めるため、新たなスタッフも加えてスタートしたのが2012年です。一貫してあるのは、山の資源で仕事をし、暮らすという生き方を実践すること、そして、その魅力をもっと多くの人に伝たい、という想い。森そのものや山の人たちの営みが、普段の生活から遠いもののように感じている人たちにこそ、この香りを届けたいと思っています。
2014年、フプの森は自分たちのフィールドとなる森を購入しました。ここで実際に森を手入れする様子を発信したり、ワークショップを企画して皆さんに訪れてもらったり、様々な活動をして行きたいと考えています。